U-22(22歳以下)日本代表候補のMF水沼宏太(21=栃木)が「おやじ超え」を誓った。同代表は29日、佐賀県鳥栖市で31日までの合宿を開始。この日追加招集され、約4カ月ぶりの復帰となった水沼は「ビックリしましたよね。でも呼ばれたからにはチャンス」と意気込んだ。

 9月21日のマレーシア戦からロンドン五輪アジア最終予選。期するものがある。88年ソウル五輪切符をかけた前年10月のアジア予選中国戦。引き分け以上で出場が決まる国立のピッチに、父で元日本代表の貴史さんはいた。結果は0-2で敗戦。そのことを聞き、「超えたい」と思った。

 金メダルに輝いた昨年11月アジア大会で10番を背負いながら、4月の兵庫合宿を最後に同代表から遠のいた。「もっともっと成長しないと」。J2で首位争いする栃木で奮闘。「(前々節の)東京戦で決勝点を挙げていますし」と関塚監督は追加招集を説明。本人も「このチームはドリブラーはいるけど、シンプルなプレーでリズム作る選手はいない」と生き残りに自信をみせた。

 突然の招集に、父からは「まじ!

 でも、頑張ってこいよ」と電話で背中を押されたという。「気負うことなく、自分は自分のプレースタイルで、チームに連動性を与えたい」。偉大な父親を超えるためにピッチを駆ける。【阿部健吾】