ザックジャパンが初体験の人工芝攻略に自信を見せた。日本代表は14日、W杯アジア3次予選北朝鮮戦(15日、金日成競技場)に備え事前合宿地の北京から平壌入り。平壌国際空港での入国手続きに約4時間もの時間を割いたため、試合会場での公式練習は3時間遅れの午後8時から開始。不慣れな人工芝のピッチだが、MF遠藤保仁(31=G大阪)や主将のMF長谷部誠(27=ウォルフスブルク)は手応えを示した。

 開始予定時間から3時間遅れで始まった公式練習。気温が下がり、吐く息が白くなった人工芝の金日成競技場を踏みしめたイレブンは、想像以上に良いピッチ状態に安堵(あんど)感を漂わせた。長谷部は「ピッチ自体はすごく良くて問題ない。タジキスタンと比べても良い状態?

 もう全然です」と手応えを表した。

 5万人収容の試合会場は完全アウェー状態が決定的だが、それと同時に不安視されたのが不慣れな選手が多い人工芝のピッチ。だが、06年に国際サッカー連盟(FIFA)の基金で整備されたピッチは状態も良く、中盤の軸の遠藤も「プレーに影響ないかなという感じ」と言い切った。

 確かに通常の天然芝ピッチと比べると硬く、ボールも跳ねやすい。FW岡崎が「跳ねるし、やはり硬い。気をつけないと」と漏らし、FW香川も「ちょっと詰まる感じ。人工芝用のスパイクを履いてます。慣れてないので難しさがある」と警戒する選手もいたが、雪解けの11日のアウェー戦でタジキスタンのピッチを経験しているだけに、それほど影響はなさそうだ。

 9月6日のウズベキスタン戦、今月11日のタジキスタン戦のアウェー2試合で立ち上がりの悪さを指摘したザッケローニ監督は13日の練習でキックオフ直後の「ハイパント攻撃」を練習させるなど、対策も十分。今後に向けた貴重なアウェー対策の場になるだけに、長谷部は「なかなかこういう雰囲気の中の試合は味わえない。非常に大事な試合」とキッパリ。どんなハプニングをも自らの成長につなげてみせる。