日本サッカー協会は20日、アルガルベ杯(29日開幕、ポルトガル)に出場するなでしこジャパン21人を発表し、U-20(20歳以下)日本代表のエースFW京川舞(18=INAC神戸)を初招集した。母校の宮城・常盤木学園高で会見した京川は「点を取って、五輪にもつながるようにアピールしたい」と宣言した。日本は1次リーグでノルウェー、デンマーク、米国と対戦する。
なでしこジャパンに初選出された18歳は、常盤木学園高でセーラー服にカーディガン姿で緊急会見した。「これで五輪に行けるわけではない。これからが勝負だな、という思いです」。前日は宮城で親善試合に臨んでいたため、既に入団しているINAC神戸ではなく、母校で吉報を受けた。
緩急を付けた裏への飛び出しと、スピードには自信がある天性のストライカーだ。「選ばれたからには失敗を恐れずチャレンジしていきたい。点を取って五輪につながるように」と早くもロンドン五輪を見据えている。代表の佐々木則夫監督(53)も、その類いまれな素質に「まだ経験の部分で粗さはあるが、攻守にアグレッシブに関われる」と即戦力として期待する。
今季からINAC神戸の同僚になったMF沢を心から尊敬する。まだ自分から話しかけることはできない。それでも沢の著書「夢をかなえる。」を何度も読み返した。「夢は見るものではなくかなえるものだ、と本当に思いました。今回の遠征で沢さんと少しでもお話ししたい」と弟子入り志願。沢の心意気を間近で学び、認めてもらえることが代表定着に近づく。
東日本大震災で被害を受けた母校や実家にもささげる代表初選出だ。この日も茨城・石岡市に住む父誠さん(55)に連絡した。「これからが大変だぞ。しっかり結果も残して五輪も目指せ」と励ましてくれた。震災のあった昨年3月11日はU-19(19歳以下)のソチ(ロシア)遠征中。2日間、茨城の家族とも連絡が取れなかった。「ネットのニュースで津波の映像も見た。家も日本もどうなっているのか不安でしたけど、私たちはサッカーを頑張ろうと言い合った」。
帰国後、仙台市内の高校の寮には戻れず茨城の実家に身を寄せたが、実家も家中の物が倒れるほど被害を受けた。当時からなでしこ入りへの思いを強くしたという。
今回の代表選出で3月1日の卒業式は出ることができない。京川は「残念ですが、ポルトガルでは3年間で学んだサッカーをしっかり出したい」。本来は今夏に日本で開催のU-20女子W杯のエースとして期待されていたが、さまざまな思いを背負い、なでしこジャパンの大舞台に立つ。
◆京川舞(きょうかわ・まい)1993年(平5)12月28日、茨城県小美玉市生まれ。小2から堅倉スポーツ少年団-石岡レディース-KASHIMAレディース-常盤木学園高を経て、今季INAC神戸入団。昨年はU-19日本代表のエースとしてアジア女子選手権MVP&得点王。チャレンジリーグEASTでも24得点で得点王。家族は両親と弟。血液型A。

