日本代表に初招集された高校3年のFW久保裕也(18=京都)が、英才教育で代表定着を狙う。親善試合アイスランド戦(24日、長居)に向けた合宿が20日、大阪府内でスタートした。アルベルト・ザッケローニ監督(58)は、久保を2年後のW杯ではなく、18年W杯ロシア大会のエース候補として6カ年計画で育てる方針。日本の超新星は、指揮官の思惑を覆す急成長で、一気にA代表の主力へと上り詰める。
ボソリ、ボソリと話す姿が、大物の予感を漂わせた。1時間半の初練習を終えた久保は、大勢の報道陣に囲まれると、何を聞かれても笑いもせず、ただ真剣に受け答えを続けた。
「失うものは何もないです。しっかりチャレンジしていきたい。今日は自分の色を出す場面がなかった。いつもより硬かったんで。シュートも硬かった」
グラウンドでは18歳とは思えない存在感があった。攻撃のフォーメーション練習では、FW前田と1トップの位置に入った。顔には出さなくても、緊張していたのだろう。シュートは枠を外れる場面が多かったが、高校生の初々しさはない。ドシッと構えながら独特の雰囲気を醸し出した。
今後は、英才教育を受ける。初招集したザッケローニ監督は、19歳柴崎らとともに「現時点ではA代表の選手ではない。だが自分たちが望めば近い将来に(代表に)なれる。今は次の五輪代表の新チームの核になる選手」と説明。16年リオデジャネイロ五輪を経て、18年W杯ロシア大会へと6カ年計画で育てていく方針だ。
それでも可能性は無限大に広がっている。アイスランド戦に出場し、得点すれば77年6月15日韓国戦で金田喜稔が決めた19歳119日を大きく更新。18歳62日の代表最年少記録になる。海外組がいない今合宿では、チャンスは十分にある。「みんなうまいし、さすがだなと思いましたけど。ボクもこの中でやりたいという気持ちが出てきた」
イタリア人指揮官の思惑を覆すほど成長すれば、6カ年計画を一気に短縮。14年W杯ブラジル大会も夢ではない。実直な18歳の挑戦が始まった。【益子浩一】
◆久保裕也(くぼ・ゆうや)1993年(平5)12月24日、山口県生まれ。FC山口でサッカーを始め山口鴻南中卒業後、京都ユースへ。立命館宇治高に在学中。昨年4月24日、ホーム岡山戦で初出場して初得点するなど30試合10得点。昨季の天皇杯は3試合3得点。U-16(16歳以下)日本代表から各年代の代表に選出。177センチ、68キロ。

