【ロンドン(英国)24日=小野真由子通信員】

 ロンドン五輪女子サッカー(7月25日開幕)に臨む、なでしこジャパン(FIFAランク3位)の対戦相手が決定した。この日、サッカーの聖地ウェンブリー競技場での組み合わせ抽選会には佐々木則夫監督(53)が出席。W杯優勝チームとしてシードされた日本は、1次リーグF組に入り、カナダ(同7位)、スウェーデン(同5位)、南アフリカ(同65位)との対戦が決まった。3大会連続4回目の出場となる日本は、初のメダル獲得に加え、史上初の女子W杯と五輪の連覇を狙う。

 佐々木監督が一番恐れていたことが現実となってしまった。4強をかける準々決勝で、F組の日本は1位通過の場合はG組の米国、フランスのいずれかとの対戦が有力。2位通過では英国、ブラジルのいずれかと戦う可能性が高くなった。3位でもこの4カ国が日本の行く手を阻む。

 中でも佐々木監督がもっとも警戒しているのがフランスだった。近年の直接対決はないがW杯4位。キリンチャレンジ杯後に指揮官は「もっとも日本がやりにくい相手はフランスだと思う。だからこそ同じ組でやりたい」と同組を熱望していた。

 警戒するからこそ、同組をもくろんでいた。メダル獲得のため、佐々木監督は1次リーグ突破後の準々決勝での対戦国に重きを置いていた。同組ならば、お互いが決勝トーナメントに進出しても、準々決勝で戦う可能性はない。そこが最大の狙いだった。

 3月のアルガルベ杯と同時期開催のキプロス杯でフランスは優勝している。日本協会スタッフが撮影した映像には、パスを華麗につなぐだけでなく、フィジカルも強い、W杯後さらに成長したフランスサッカーが繰り広げられていた。それを見た指揮官は“なでしこ最大の敵”に指名していた。

 抽選会前に女子欧州CL準決勝ポツダム(ドイツ)-リヨン(フランス)戦を視察。FW永里、大滝の日本人対決以上に、注目していたのは連覇を狙うリヨン。MFネシブら中心選手のほとんどがフランス女子代表メンバーだ。

 佐々木監督は日本出発時に「1次リーグは3位まで(決勝トーナメントに)あがれる可能性があるので、相手は気にしていない」と言っていた。監督の最大のポイントは決勝トーナメントでの組み合わせ。中でも勢いをつける準々決勝以降の流れを見据えていた。

 すでに組み合わせは決まった。米国はFWワンバックを中心にリベンジを挑んでくる。英国はW杯で唯一黒星を喫した相手。5日のキリンチャレンジ杯で大勝したブラジルも、FIFA年間女子最優秀選手賞を4年連続で獲得してきたFWマルタを欠いていただけに本来の姿ではない。

 フランスを撃破して金メダルを再び日本へ-。佐々木監督の腹は決まった。「北京で4位となり、ここまでロンドンでの頂点を目指して歩んできた。この4年間の集大成に向けて、選手とスタッフが一丸となりチャレンジしていきたい」。なでしこは逆境を乗り越えてさらに強くなってきた。女子W杯ドイツ大会で難敵ドイツ、米国を撃破したように、今度はロンドンでも並み居る強敵をなぎ倒し、Vロードを突き進む。