海外組よ、生き残れ。日本サッカー協会は18日、7月開幕のロンドン五輪に向けて五輪日本代表が参加するトゥーロン国際大会(フランス=5月23日~6月1日)のメンバー20人を発表した。これまで招集できなかった海外組から同代表最多の5人を招集。関塚隆監督(51)は「どれだけやれるか見極める」と、海外クラブで出場機会に恵まれなかった選手たちに、最後のアピールチャンスを与えた。

 海外組にサバイバルレースの号砲が鳴らされた。メンバーに名を連ねた海外クラブ所属の選手は5人。同代表最多となる招集に、記者会見に臨んだ関塚監督は「海外組が状態のいいときに呼びたくても呼べなかった。5人それぞれの特長がある。ここ(トゥーロン)で最後まで頑張ってもらいたい」と競争を促した。オランダ、トルコなど強豪国と戦えるトゥーロン国際大会の実戦で、直接見る機会の少なかった海外組の力量を図る。

 レギュラーが大半のA代表の「海外組」とは立場が違う。所属クラブで出場機会に恵まれなかった選手は、国内選手に比べ代表へのアピール機会が激減。アジア予選2得点のFW大津祐樹(22=ボルシアMG)、ドイツで主力に定着したDF酒井高徳(21=シュツットガルト)を除けば、同監督にとって「未知数」の域を出ない。MF宇佐美貴史(20)はBミュンヘンで出られず、オランダで頭角を現したMF高木善朗(19=ユトレヒト)は昨年12月の合宿ミーティング参加のみ。スペイン3部でプレーする長身FW指宿洋史(21=セビリア・アトレチコ)が、海外トップの屈強なDFを相手に通用するのか?

 指揮官自らの目で確かめる必要がある。

 呼びたくても呼べない事情がこれまであった。五輪予選では、代表に所属クラブから招集できる拘束力はなかった。昨年12月には指揮官が欧州へ視察し、クラブと直接交渉も行ったが、見送られてきた現実の中で予選を戦った。「国内では何人も試した。海外組はここを逃したら呼べなくなる」と、今回のトゥーロン国際も同様に拘束力はないが、欧州がシーズンオフに入ったことで招集に至った。

 ロンドン五輪初戦となるスペイン戦まで70日を切った。「海外組の力を発揮させて、チームとしてスケールアップしたい」と同監督。世界で戦うためには、世界で戦っている選手の力がなければ、44年ぶりのメダルは見えてこない。【栗田成芳】