<親善試合:日本2-0アゼルバイジャン>◇23日◇エコパスタジアム

 待ちに待ったときがきた。FW宮市亮(19=ボルトン)がようやく、代表初キャップのピッチを踏んだ。それは19歳161日目で迎えたエコパ。後半17分に呼ばれたとき、岡崎の追加点に沸く会場のボルテージがさらに上がった。背番号11への期待感は、大きな拍手となって降り注いだ。

 「正直、緊張がマックスでどういう状況か分からなかった」。登場から5分後、左サイドでボールを受けると、果敢に縦への突破を図る。勢い余って足を滑らせた。同28分には右足で強烈なシュートを浴びせ、ドリブル突破を試みること4回。約30分の限られた出場で、無我夢中で存在感を残した。

 夢の階段をまた1つ駆け上がった。高校から直接海外クラブへ進んだ規格外の道をたどる宮市が、プロとしては初めて日本でプレーを披露。その歩みにようやく代表のキャリアが加わった。「昔から夢だったAマッチにやっと出られた」。初招集となった2月のウズベキスタン戦では出場がかなわず、イングランドにとんぼ返り。この日はザッケローニ監督から「初代表おめでとう」と祝福を受けた。

 ただ、満足はしない。高校卒業を待たずして門をたたいた欧州も、世間は狭い。次なる舞台となる最終予選オマーン戦。プレミアのウィガンでプレーするオマーンGKアル・ハブシとは家が近所で、普段から一緒に食事をする仲だという。「プレミアで1度やっていますが、次対戦したらゴール狙います」。世界に名をとどろかせた香川、円熟期を迎えようとしてる本田に続き、日本の超新星となって最終予選に臨む。【栗田成芳】