日本代表MF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)が5日、移籍の真相を独占激白した。この日の共同記者会見後に、日刊スポーツが関東近郊で本田を単独キャッチし、「世界中のビッグクラブとコンタクトを取っている」と明言。移籍への熱い思いと、15日開幕のコンフェデレーションズ杯(ブラジル)への決意を語った。

 本田は笑っていた。終始ぶぜんとした表情で臨んだ共同記者会見とは違った。会見後、スーツ姿のまま関東近郊へ向かった本田を独占キャッチ。移籍の進捗(しんちょく)状況について胸の内に迫った。

 本田

 1つ言えること。現時点で正式なオファーはまだ、俺の元には届いていない。これは本当のことです。でも、CSKAとの契約はもうすぐ切れるわけやからね。俺の代理人には、世界中のビッグクラブとコンタクトを取ってくれとは伝えています。動いてくれ、と。だから俺の(ビッグクラブ移籍の)可能性は、無限に広がっているということやね。

 所属のCSKAモスクワとの契約は半年後に切れる。既に代理人が水面下で複数クラブと接触しているものと見られ、退団は確実だ。この日もイタリア紙にはACミランの名前が挙がったほど。会見では「あること、ないこと書いてくれたメディアのみなさん」とまで言った。それから数時間後、冷静に熱く、自身の現状を語った。

 本田

 そういう意味では、コンフェデ杯は1つの大きな大会ではあるよね。世界中が視線を、そこ(大会)に注ぐわけやからね。俺にとってはチャンス。何度も言うけれど、可能性は広がるわけやからね。

 今夏に他クラブに移るには移籍金が発生する。半年我慢し、契約満了で移籍金がかからない今冬なら、オファーが殺到するのは間違いない。一方で、ブラジル、イタリア、メキシコと1次リーグから世界的強豪と対戦するコンフェデ杯で世界を驚かせるほどの活躍をすれば、夏にもビッグクラブから声がかかるはず。

 帰国直前のモスクワで自ら会見を開いた以外は無言を貫いてきたが、この日ばかりは大勢の報道陣の前でも「(コンフェデ杯は)テストじゃないんでね。しっかり勝ちに行くんで。それは揺るがないです。超強気で行きますよ」と宣言した。

 明るい未来へ-。本田にとって、14年W杯ブラジル大会は、ビッグクラブ移籍を実現した先にある。【益子浩一】

 ◆本田の移籍

 12年1月にセリエAラツィオからオファーを受け、クラブ間交渉に発展。決定は秒読み段階だったが、移籍金を巡って交渉が難航。欧州の移籍市場最終日となる1月31日に破談に。具体的な移籍の動きはこのラツィオだけで、以外では日本と欧州各国で移籍のうわさが頻発。今年3月には英紙メトロが「リバプールと暫定合意」など誤った情報が流れた。他にはマンチェスターC、チェルシー、アーセナル、パリサンジェルマンなどが移籍先として報道された。