<コンフェデレーションズ杯:日本1-2メキシコ>◇1次リーグA組◇22日◇ベロオリゾンテ・ミネイロン競技場

 残り1年で「格」を上げろ-。日本代表MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)は、メキシコ戦で前半シュート1本のみに終わり、後半は失速した。3連敗で終わった敗因を、格でまさる強国相手の「勝ち方が分からない」とした。取りざたされる今後の去就にも触れ、自らを「環境先行型」とし、今後はビッグクラブでの格上げを目指す。

 本田はもう、動けなかった。3連敗が決まった瞬間、両手を膝についたまま地面を見つめた。体力は底をついていた。水を飲み一息。この3試合ですべてを出し切った。スタンドにあいさつをした後、力なく手を振り、歩いてピッチから出ると、本田が挑んだコンフェデ杯が終わりを告げた。3試合先発し269分間出場、得点はPKによる1点。勝ち点はゼロ。本田が思い描いたものではなかった。

 「結果に関しては不本意。けど現実。(1年後のW杯で)あらためて、ブラジルやイタリア、メキシコに勝てるクオリティーが必要。さらにその上にスペインがある。もっと高められる。でも向こうも高める。そこの競争に勝たないといけない。なんとなく成長しているじゃ、同じ結果になることを自覚しないと。どうしてもまだ足りない」

 みるみるうちに存在感を消していった。シュートは前半25分の左足ミドルのみ。後半は中盤でボールを受けても、前線で相手の脅威になれなかった。「今日も後半へばっているし、へばっているとできないことを再確認した」。後半、コロコロと入れ替わる日本のシステムに翻弄(ほんろう)もされた。しかし、3連敗という現実を前にして、残り1年何をするべきか。3試合でたどり着いた本田の考えは「格」だった。

 「自信の差がそのまま格になる。僕らは練習でやったことを100%出そうとやるものの結局、勝ち方が分からない。一生懸命いいサッカーやっているけど、相手を圧倒していても(イタリア戦で)3-3の状況で点を決められない。そこは格とか、そういう問題。イタリアは何回とスクデット(セリエA優勝)、チャンピオンズリーグをとっている選手がいるわけで、その差は歴然。それが現状。格は人が判断する。そのオーラの差が試合につながっていく。圧倒されてしまう。びびってしまう。びびっているつもりなくてもね」

 格を上げるためにも自身の移籍は不可欠と踏んでいる。「僕は環境先行型。自分よりレベルの高いところでやることで吸収し、今ここにいる。次のステップにいけるか、どういう形か分からない。けどチャンスがあるというのは認識している」。結果として、日本との格の違いを痛感した。残された時間はあと1年。格を上げなければ、世界での勝利は見えてこない。【栗田成芳】