日本代表FW大迫勇也(23=鹿島)が、強豪との対戦が予想されるW杯ブラジル大会に向けて強気な姿勢を見せた。21日、日本代表の国内組選手とともに欧州遠征から帰国。鹿島の練習に合流して23日のリーグ戦(対鳥栖)に備えた。オランダ戦で1得点1アシストを記録したストライカーは「燃えるよね」と、W杯での強豪との対戦を歓迎。約半年後に迫った本大会に思いをはせた。

 帰国してすぐにグラウンドに直行して約20分、しっかり走り込んだ大迫は、淡々と欧州遠征を振り返った。海外組と融合したA代表で初ゴールを挙げるなど充実した時間を過ごした。そこで感じたことを一言ずつ、見た目は変わらないが、一皮むけたような落ち着いた口調で振り返りながら、来年のW杯で活躍する姿を思い描く。

 収穫を得た。先発したオランダ戦の2失点目のシーンだ。FWロッベンにパスが渡る。嗅覚の鋭い大迫は「やられた」と感じとった。直後、鮮やかなミドルシュートを決められると会場はどよめき、日本は一気に劣勢に立たされた。「空気が変わったよね。パスが渡る前から、入りそうな感じがした。そういう雰囲気を出せる選手ってすごいよね」と目に焼き付けた。世界屈指のFWのすごさを肌で感じた瞬間だった。

 手応えもつかんだ。FIFAランク8位のオランダから、反撃の口火を切るゴールを挙げた。1アシストも記録して引き分けに持ち込み「もっとたくさんやれば、慣れてきてもっと良いプレーができると感じた」と、自分のプレーが通用する部分も見えた。1トップの座を争うFW柿谷も、ベルギー戦で1得点1アシストを挙げ「能力が高いし、負けないようにやっていかないと。いい刺激になる」と、飛躍を見据えた。

 この日、W杯の出場32カ国が決まった。強豪国との対戦を尋ねられると「燃えるね。(強豪国は)日本をナメてくると思う。絶対隙ができる」と、オランダ、ベルギー戦の経験を踏まえて話した。

 開催国のブラジル相手でも「逆にモチベーション上がる」と強気な姿勢を隠さない。大会まで残り7カ月だ。【桑原亮】