女子アジア杯で初優勝を飾ったなでしこジャパンが26日夜、東京・羽田空港着の航空機でベトナムから帰国した。「アジア連覇」が懸かる9月中旬開幕のアジア大会(韓国・仁川)でも、今回同様に海外組の招集が厳しいため、佐々木則夫監督(56)は若手の成長の舞台にする考えを明かした。初招集のMF猶本光(20=浦和)らに、もう1度チャンスが巡ってきそうだ。

 到着ロビーには、ファンと報道陣合わせて約300人が待ち構えた。選手が登場すると拍手喝采。なでしこフィーバーの再来を思わせる熱狂ぶりとなった。

 来年のW杯出場を決め、アジアの頂点に立った。オーストラリアを破った決勝から一夜明け、佐々木監督の目は次なる舞台へ向けられていた。9月のアジア大会は「王座」防衛に向けて韓国や中国との対戦が予想される。しかし、6人の欧州組を呼べなかった今回と同様、国際サッカー連盟(FIFA)の国際マッチデーに指定されていない。そこで「個々の選手を成長させ、若い選手の力を見極める舞台にしたい。今回の初招集組をベースに、プラスアルファで呼びたい」と、アジア杯では1試合の出場に終わった猶本らに再びチャンスを与える考えだ。

 大会MVPのMF宮間主将も「アジア大会も制したら、名実ともにアジアチャンピオンとしてW杯に臨める」。直前の9月13日に、佐々木監督の出身地・山形で行われる親善試合の相手は未定だが、指揮官は「強い相手とやりたい。勝って故郷に錦を飾りたい」と意気込んだ。【由本裕貴】