<アジアCL:(4)G大阪3-1浦和(2)>◇準決勝第2戦◇22日◇埼玉※カッコ内は2戦合計得点

 浦和ゲルト・エンゲルス監督(51)が今季限りで解任されることが確実となった。浦和はG大阪に1-3で敗れ、2戦合計2-4となり、同じ日本勢に2連覇の夢を打ち砕かれた。前半36分にFW高原直泰(29)のゴールで先制したものの、後半立て続けに3失点。藤口光紀社長は試合後にクラブ幹部を集め、深夜に異例の緊急会議を開いた。リーグ戦も現在5位と来季ACL出場権確保も危うく、同監督はシーズン終了を待たずに解任される可能性も出てきた。勝ったG大阪は11月5、12日に、アデレード(オーストラリア)とアジア一を争う。

 エンゲルス監督がサポーターに頭を下げた。試合終了後、選手とともにピッチをまわり、スタンドに向かって敗戦の謝罪をした。「ACLが今日で終わって応援してくれて感謝したかったことと、負けて謝りたかった。プラスあの瞬間、サポーターと1つになりたかった。負けても胸を張って、プライドを持ちたかった」。しかし指揮官の気持ちとは裏腹に、スタンドには「さようなら、ゲルト。辞任して下さい」と、ドイツ語で書かれた横断幕が掲げられた。

 高原の先制点で試合を有利に進めたが、後半立ち上がりに同点にされると、リズムを崩した。「消極的なところが確かにあった。相手もパワーがあった。あと10分でも1-0のままだったら、後半も我々のリズムになったと思う」。交代の判断をする間もなく3失点し、試合を決められたことを悔やむしかなかった。

 今季開幕2連敗したオジェック前監督の後を受けると、DF闘莉王をボランチ起用するなどの起用がはまり、破竹の快進撃で4月に首位浮上。だが、後半戦に入ると不安定な戦いが続き、首位陥落と再浮上を繰り返した。リーグ神戸戦(18日)で公式戦5戦連続勝ちなしとなると、サポーターの間からも批判が噴出。累積出場停止で主力3人を欠いたこの日、同監督は左MF相馬の位置に、守備が本職のDF堤を起用する奇策で勝負に出たが、結果には結びつかなかった。

 リーグ戦でも現在首位と勝ち点差6で5位。来季ACL出場圏内である3位以内(3チームのいずれかが、天皇杯で優勝すれば4位が出場)も危うい。同監督は試合後に控室で「もう(リーグ戦で)やるしかない!」と選手にハッパを掛けたが、このままなら、2年契約を1年残して今季終了後の解任は確実だ。藤口社長は「結果が出なくて、(監督に)間違いがないとは言えない」と発言。深夜に緊急首脳会議を招集して危機感をあらわにするなど、シーズン途中での解任の可能性さえも出てきた。