7日開幕のJ1は今季から2ステージ(S)制と、年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)が導入される。11年ぶり復活の今季のCSは、年間勝ち点1位が決勝にシードされ、第1、第2S覇者と年間勝ち点2、3位が挑戦権を争う方式でCSには最大5チームが進出する。トーナメント表のパターンは全8通りで、出場チーム数は(1)5チーム(2)4チーム(3)3チームの3通り。J1が今季と同様の18クラブとなった05年以降の成績からシミュレーションした。

 第1、第2Sを制覇しても年間王者になれない!? 今季は第1、第2Sで優勝し、年間勝ち点も1位でも、CSの決勝で敗れたら年間2位になる。仮にそうなった場合、「年間通して安定した成績を残したチームが2位となるのは不公平」との声が聞こえてきそうだが、過去の例で見ると06年の浦和に、その可能性がある。今季の方式では、そういうことが起こり得る。

 複雑な今季のCSを分かりやすくするために、過去10年の成績を当てはめてシミュレーション。CS進出のチーム数は5~3の3パターンに分けられる。

 (1)5チーム ステージ優勝の2チームが年間トップ3に入れなかった場合で、過去には08年だけ。ステージを優勝したチームは年間勝ち点で3位以内に入ることが多く、5チームそろうことはめったにない。ただ、年間優勝の可能性を残すチームが多いだけに、最後まで盛り上がりそう。

 (2)4チーム ステージ優勝の1チームが年間4位以下の場合がこれ。過去には05、10、11、13年の4例。13年で見ると第1Sで13位の新潟が第2Sで巻き返して優勝し、最終的な年間勝ち点は7位ながらCSへの出場権を獲得する。これまでの1シーズン制なら、13年の新潟は年間優勝の可能性はなく、その上、残留確定で「消化試合」があった。今季の方式なら選手は優勝へのモチベーションが最後まで持続でき、サポーターの期待も高まりそう。

 (3)3チーム 浦和が完全制覇した06年を含めて07、09、12、14年が当てはまる。昨年を例に見ると第1Sが浦和、第2SをG大阪が制し、年間勝ち点は1位がG大阪、2位浦和、3位鹿島。ステージ優勝チームは年間勝ち点でもトップ3に入ることが多く、繰り上げ出場もない。過去の例から見ると3チームでCSを争う可能性が最も高い。

 04年までのCSは第1Sと第2S王者の2チームの対戦で、年間勝ち点1位クラブが出場できない年もあった。今季からは年間勝ち点1位クラブに大きなアドバンテージがあるが、ノックアウト方式の大会だけに、「下克上」が起きても不思議はない。【石川秀和】

 ◆J1の賞金 年間優勝は賞金1億円。各ステージ優勝は各5000万円。年間勝ち点1位は8000万円、同2位が3000万円、同3位が2000万円。チャンピオンシップ1回戦、準決勝の勝利金として各1500万円。

 ◆Jリーグチャンピオンシップの大会方式 J1第1Sと第2Sの勝ち点を合計した年間勝ち点1位、2位および3位のチームと、各ステージの優勝チームの最多5チームが出場。重複した場合は最少3チームで争われる。年間勝ち点1位のチームは決勝へシード。

 (1)5チームが出場 年間勝ち点1位のチーム以外の4クラブで1回戦を行い、1回戦の勝者同士で準決勝を行う。

 (2)4チームが出場 J1年間勝ち点1位のチーム以外の3クラブのうちステージ優勝チームまたは年間勝ち点が上位のステージ優勝チームが準決勝へシードされ、残りの2クラブで1回戦を行う。

 (3)3チームが出場 年間勝ち点1位のチーム以外の2クラブで準決勝を行う。