山形DF高木利弥(22=神奈川大)が明日18日のホーム松本戦でリーグ戦初先発する可能性が高まった。16日の紅白戦は主力組の左ウイングバック(WB)で出場。元日本代表FW高木琢也氏(47、現J2長崎監督)を父に持つルーキーが、得点力アップと3試合ぶり勝利に貢献する。

 新人レフティーが、ケガ人続出の山形を救う。今季は呪いにかかったように守備陣が次々と離脱。特にWBは山田と宇佐美に続き、高木純も前節鳥栖戦の試合前に肉離れを起こして先発を回避した。16日の練習で主力組のビブスを着て汗を流した高木利は「4月にJ1で先発のチャンスが来るとは想像してなかったけど、試合に出るために練習してきた」と力を込めた。

 持ち味のドリブル突破で得点力アップに貢献する。新人ながらナビスコ杯は全3試合にフル出場。左サイドから攻撃を活性化し、チームは計7ゴールを奪った。対照的に、リーグ戦は開幕から5試合2得点で連敗中。「攻撃面では多少なりとも通用している部分はある。数字として結果を残したい」と初ゴール、初アシストに意欲を見せた。全体練習後には主力組の攻撃陣と居残りでクロスに磨きをかけ、個別での体力強化メニューにも励んだ。

 山形の日本人ルーキーのリーグ戦先発は12年のMF宮阪以来で、J1では10年のMF伊東以来5年ぶり。石崎監督は「なかなか点を取れていないので、右のボムヨンと攻撃の起点になってほしい」と期待を込めた。J1デビューとなった第3節川崎F戦では、後半40分からの途中出場で今季初勝利。試合を重ねるごとに積極性が増し、自信を深めている22歳は「同じ大卒で(主力として)活躍している選手もいる。与えられたチャンスで一生懸命やるだけ」。昇格組のライバル松本を倒し、レギュラーの座を奪い取るつもりだ。【鹿野雄太】

 ◆高木利弥(たかぎ・としや)1992年(平4)11月25日、広島県生まれ。98年に父の移籍に伴い東京・世田谷区に転居し、小1から和光FCでサッカーを始める。中学では東京U-15深川に所属。帝京高では1、2年時に全国選手権出場。神奈川大でサイドバックに転向し、昨年7月に山形の強化指定に登録。今季から新加入。家族は両親と妹。178センチ、72キロ。血液型O。