J2磐田は重要な場面で精彩を欠き、ホームで福岡に敗れた。前半24分、ゴール前で縦パスを受けたMF太田吉彰(31)が右足を振り抜く。同45分には、相手陣内でのボール奪取からFW森島康仁(27)が強烈ミドルを放つも、相手GKの好守に阻まれた。

 先制の好機を逃すと、後半6分。GKカミンスキー(24)がはじいたこぼれ球を押し込まれた。今季開幕から失点のなかった後半に先手を取られる思わぬ展開に、相手の2倍以上となるシュート14本もすべて空砲に終わった。昨季未勝利(1分け1敗)の相手に喫した7戦ぶりの黒星で、今季2度目の3連勝が消えた。

 それでも収穫はあった。この日、前節千葉戦から先発6人を変更しながら“主力組”に劣らない試合を展開した。名波浩監督(42)は「守備の部分でも相手のサポートより圧倒的にうちのプレッシャーの方が早かった。このメンバーでも十分戦えると確信した」と、手応えを口にした。さらに、右下腹部痛で離脱していた司令塔のMF上田康太(28)も7戦ぶりに戦列復帰するなどプラス要素も多かった。

 今後は中3日で札幌、その後も中2日でC大阪とアウェーでの連戦が続く。名波監督は「今日の収穫を次につなげていきたい」と視線を上げた。【前田和哉】