清水が2度のリードを守りきれず、クラブワーストタイの9試合勝ちなしとなった。1点リードの前半43分に右CKから失点し、後半25分には直接FKを決められた。今季17失点のうち、セットプレーからは8失点と課題は克服できず。大榎克己監督(50)は「リスタートの場面は精いっぱいやっているが、結局そこでやられた。押し込まれる展開になると事故みたいなことは起こってしまう」と嘆いた。

 この日は鳥栖のエース豊田に対し、2人のマークをつけた。試合2日前から完全非公開で調整し、万全な対策を練って臨むも最後は寄せに甘さが出る。前半だけで6本のCKを与え、直接ゴールを狙われる位置からのFKも90分間で17回。マークをつききれない個人の責任もあるが、安易にセットプレーを与えることで負の循環に陥っている。

 前々節の山形戦は3点リードの展開から終盤に3失点。FWウタカは「修正しないといけないことは分かっている」と強調した。勝ちきれない試合が続き、17位に低迷。大榎監督は「できたことと、できないことを修正してやりたい」と話すが、一瞬で流れが変わるセットプレーでの失点を食い止めない限りクラブ史上初の「降格」が現実味を帯びてきてしまう。【神谷亮磨】