J2札幌は千葉に引き分けた。前半15分、相手のハンドで得たゴールまで20メートルのFKをDF福森晃斗(22)が直接決めて先制。その後は千葉の猛攻にさらされ、全員守備でしのいだが、終了間際の後半45分にFWネイツ・ペチュニク(29)に決められ、白星を逃した。敵地では開幕栃木戦から9試合負けなし。7勝7分け3敗の勝ち点28で順位は7位に落ちた。

 札幌にとって、後味の悪い結末になってしまった。1-0リードで迎えた後半45分、千葉DF中村のFKをFWペチュニクにヘッドで合わされボールはゴールに突き刺さった。だが線審は最初、オフサイドの判定。その後、主審の説明を受け、ジャッジが覆され、得点が認められた。試合後、主将の河合とGKクの2選手が説明を求めるも結果はドロー。89分までつかんでいた勝ち点3は、最後の最後で勝ち点1に変わった。

 最も怒っていたのはバルバリッチ監督(53)だ。「最初は認められなかったゴールが認められた理由が何なのか分からない。ゴール以外の場面にしても、最後の15分は基準がはっきりしなかった」。微妙な判定を巡り、報道陣とのやりとりが約20分続くという異例の事態となった。「納得がいかない。不満だ」と感情をあらわにして抗議した。

 前半リードした試合はこれまで6戦全勝だったが、初めて後半に追いつかれた。痛いドロー。だが、リードした後半は、千葉の攻撃を受ける時間が長かった。DF櫛引は「オフサイドかと思ったけど、あそこで失点したのは線審のせいじゃなく、自分たちの甘さととらえたい」と前を向いた。バルバリッチ監督は後半に、MF深井、上里とダブルボランチを変え、守備を固め逃げ切りを図った。だが、最後に落とし穴。ボランチからFWと二役こなしたMF宮沢も「集中はしていたが、上にいくには、あそこでもう一踏ん張りできる力が必要」と反省した。

 「いらないファウルも多かった。ボールへの反応も相手の方が早かった。勝ち点2を失ったとも言えるけど、アウェーで負けなかったとともとれる」とMF稲本。プレーオフ圏外の7位に落ちたが、上位と大きく離されたわけではない。バルバ札幌の形は「先攻逃げ切り」。試合の締め方を、もう一度磨きなおし、さらなるレベルアップにつなげる。【永野高輔】