守備の要が帰ってくる。右膝半月板損傷の手術で戦列を離れていた山形DF渡辺広大(28)が今日13日、JFLソニー仙台との練習試合で約3カ月ぶりに対外試合復帰を果たす。山形県総合運動公園で行った12日の紅白戦では、主力組センターバック(CB)で出場し、3月7日のリーグ開幕仙台戦以来の実戦先発が濃厚。残り2節の第1ステージ、来月スタートする第2ステージへチームには明るい材料となりそうだ。

 待望の戦列復帰だ。渡辺のしゃがれ声がグラウンドに響く。紅白戦の主力組CBとして出場し、声を張り上げてDF陣を統率した。「ゲームに出たい。突然出られるとも思ってないが、来るべきチャンスにそなえたい」。3月7日リーグ開幕仙台戦で痛めた右膝半月板を、山形市内の病院で同16日に手術。全治8週間のリハビリを乗り越え、今日13日の練習試合先発にこぎつけた。

 仲間と支え合った。渡辺が戦線離脱していた同時期に、DF山田とDF宇佐美も膝を痛めていた。リハビリのメニューをお互い叱咤(しった)激励して、乗り越えた。「1人じゃやっぱりサボっちゃう。感謝してる。楽しくやれた」。その間、3人で食事に出掛けて気分転換を図った。別メニュー調整で宇佐美と2人でグラウンドを走り込み、5月末には紅白戦にも参加した。

 競争が激化する。石崎監督は「早く戻さないと」と故障からの復帰組の奮起を期待した。リーグ2戦目以降、CBの定位置は前節鹿島戦で今季2得点目を挙げたDF西河が確保している。「どこでも競争はある話。膝の痛みがあったけど、そんなの言ってられない」。20日次節広島戦まであと約1週間。今季仙台から移籍してきた「守備の要」の本領発揮はこれからだ。【高橋洋平】