ゴン効果でJ3への道が開けた。国内4部に当たるJFLのアスルクラロ沼津が26日、都内のJリーグで最後のJ3入会審査を受けた。山本浩義代表(54)が村井満チェアマン(56)とのヒアリングで、元日本代表FW中山雅史(48)の加入効果で、1試合平均2000人の観客動員数の条件をクリアしたと報告した。11月の理事会で入会が承認される見通しで、J3入りには年間4位の成績要件を残すだけとなった。

 沼津の観客数は、中山の加入後に3倍超の伸びを見せた。練習に初参加した9月5日の前は、平均1486人。J3参入条件の1試合平均2000人を下回っていたが、加入後3試合の平均が4809人と急増した。10月3日のソニー仙台戦で過去最高の8337人を記録するなど計3万771人が来場。中山効果で、11月15日の最終戦を待たずに2000人×15試合の計3万人の壁を突破した。

 Jリーグ入会の正式承認は11月の理事会となるが、村井チェアマンのヒアリングを終えた山本代表は「手応えはあります」と審査クリアに自信を見せた。9月24日にはJ3クラブライセンスを交付されており、残された条件は年間順位4位に入る成績だけとなった。

 今季、JFLからJ3へ昇格できるのは1クラブだけ。沼津は現在5位で、残り3試合で、勝ち点5差の鹿児島ユナイテッドを追っている状況だ。山本代表は「相手があることなので厳しいですが、あとは勝っていくしかない」。同時にJ3ライセンス交付を受けたライバルの結果を待つしかない。

 中山は前日25日のマルヤス岡崎戦(3-1)をスタンド観戦。出場はしていないが、ハーフタイムに戦術指導するなどピッチ外で貢献した。山本代表は「試合に出るかどうかは現場判断」と慎重だったが、出場できれば昇格争いにも勢いをもたらしそうだ。【木下淳】

 ◆J3リーグ 昨年、12クラブで発足。今季から山口が加入し、Jリーグ・アンダー22選抜(U-22選抜)を加えた13クラブが年間36試合を戦っている。カテゴリーが下位のJFLとの入れ替えは、JFLの年間順位上位3チームが昇格条件を満たしていないため、今季は1クラブだけ。J3クラブライセンスを交付されている4位鹿児島ユナイテッドFC、5位アスルクラロ沼津、7位奈良クラブのうち年間4位に入ったクラブがJ3に昇格できる。