若手とベテランがかみ合った日テレが、盟主の座に返り咲いた。

 2-0で千葉を下し、次節最終節を待たずに5年ぶり13度目の優勝を決めた。

 2試合を残す勝ち点8の新潟と仙台のいずれかが2連勝しても(11月1日に直接対決があるため、両チームが2連勝することはない)追いつくことができなくなったため、日テレがレギュラーシーズンに続き、エキサイティングシリーズでも優勝を飾った。

 DFの中心として千葉の攻撃を完封した岩清水梓主将(29)は試合後、「U-19組の活躍が不可欠だった。その子たちの成長なしにここまで来ることはできていない。その子たちがキーだった」と若手をたたえた。

 中でも14年U-17W杯初制覇の原動力となったMF長谷川唯(18)が開始わずか4分で挙げた先制点は、流れを引き寄せる上でも重要だった。ゴール前の混戦で、MF上辻佑実(27)からボールを受け、冷静に右足で蹴り込んだ。 「試合前から有さん(有吉)に『今日(活躍が)来るんじゃないの』と言われていたので(笑い)。こういう舞台で決められて良かった」。長谷川は試合後、会心の笑みを浮かべた。

 本来は、大好きなイニエスタ(バルセロナ)のようにパスが出せて、点も取れるタイプ。だが日テレの下部組織「メニーナ」からトップチームの「ベレーザ」に昇格した13年から2シーズン、リーグ戦無得点に終わった。

 長谷川は今年1月、ドイツ1部ポツダムの練習に参加。テクニックの部分では通用するという手応えをつかんで帰国した。今季序盤はゴールが遠かったが、9月23日の伊賀戦で初得点すると、エキサイティングシリーズ初戦となった10月11日の仙台戦でもゴールを決め、優勝に貢献した。

 この日はなでしこジャパンの佐々木則夫監督(57)も観戦。まだ18歳と若いが、16年リオ五輪メンバー入りへ向け、期待は高まるばかりだ。