J2札幌GK金山隼樹(27)が、崖っぷちの1戦で、完封勝利に導く。GKク・ソンユン(22)がU-22韓国代表に遠征中のため、14日アウェー水戸戦での、3試合ぶり出場が濃厚。勝てば無条件で23日の最終栃木決戦までプレーオフ(PO)の可能性が残るだけに「最後の最後まで力を出し切って、サポーターも1つになって勝ちにいく」と11日、意気込んだ。

 長崎時代の13年には、J2昇格1年目にしてプレーオフ圏6位に食い込んだ。札幌で唯一POを知る男は、2年前の経験を踏まえ「できることを気持ちを込めてやること。GKとして、後ろから声を出して後押ししたい」と言った。自身6月14日岐阜戦以来5カ月ぶりの白星で、大逆転進出を、お膳立てする。

 温かい言葉を心の支えにしてきた。四方田体制1勝となった9月12日横浜FC戦後、控えGKだった金山は、小野にこう言われた。「納得いかないことは誰にでもある。おれもいろいろ経験したから分かる。でもみんなで一緒に頑張っていこうよ」。今季はクの加入で出場8試合にとどまっているが、腐らずに準備してきた成果と、勝利への熱い思いを、土壇場で示す。【永野高輔】