男・ザキサンの流儀だった。来季J2の山形を今季限りで退団するFW山崎雅人(34)が4日、練習最終参加日となった自身の誕生日に、自らサポーターと別れの場を設けた。先月23日のサンクスイベントを体調不良で欠席しており、クラブを通じて練習最終日を事前に発表。雨の平日としては異例の約300人のサポーターが本拠地NDスタジアムに集まり、山崎はサインや写真撮影に取り組んだ。

 会見では涙を浮かべて、4年半過ごした山形を振り返った。1番の思い出には14年の昇格プレーオフでの決勝点を挙げた。「悔しいことの方が多かった。けど最高のチームメートと戦えたことは財産になる」。現役にはこだわりを見せ、「自分の力を出せるチームでやりたい」と話した。

 おとこ気を貫いたから、愛された。11年途中に広島から移籍し、半年でJ2に降格するも完全移籍で残った。「半年で落としてしまった。このチームで続けたかった」。前線から献身的なプレスと裏への飛び出しで、チームをけん引した。

 約2時間のファンサービスが終わった最後、サポーターから自身の応援歌で送り出された。「泣くつもりはなかったけど、ダメでした」。山形の一時代を支えた男が、思い入れのある地を後にした。【高橋洋平】