今季限りで現役引退するコンサドーレ札幌MF砂川誠(38)が5日、札幌市内のクラブ事務所で引退会見を行った。03年からの13年在籍も、札幌での415試合出場もクラブ歴代1位。今季7月から岐阜に期限付き移籍していた。

 今季は股関節痛などで、札幌での出場はなし。岐阜での10試合出場に終わり「頭で考えたことと実際のプレーとのギャップができてきた。自分の中で思い通りのプレーを、ピッチで表現できないことが増えてきた。プロとして、このままではいけないと決断した」と引退の理由を説明した。思い出の試合は前回昇格を決めた11年12月3日の最終東京戦を挙げた。「あれだけ大勢の観客の前でプレーできる喜びを感じた。あのようなスタンドとの一体感あるゲームを数多くしていってほしい。北海道や札幌に、あのような文化が定着していってほしい」と、3万9243人を動員した熱狂の再現を期待した。

 若手には「技術やフィジカルが高い選手はいるが、そういう選手は全国的にはいっぱいいる。生き残るには1つの練習、1つの試合で、常に何かを見せる、気持ちを出せる選手になってほしい」と提言した。

 5日、札幌市内で行われたチーム最後の全体練習にも参加。練習前にはチームメートに「長い間、ありがとうございました。来年は絶対J1に昇格して、定着できるように頑張って欲しい」とあいさつした。現役最後の練習を見に集まった800人のサポーターの前でも、あいさつし、終了後はチームメートから胴上げされ「やっぱり赤黒の練習着は心地よかった。札幌が好きなんだなあと思いました」と感慨深げに話した。

 20年のプロ人生については「短かった。ゴンさん(元日本代表FWの中山雅史氏)が引退したときに、未練たらたらと言った気持ちが分かった。昨日の自分よりちょっとでもうまくなりたい、今日活躍しなければ次はないという思いで続けてきた。今何がしたいかと言えば、サッカーがしたい。サッカーから離れることはないし、しなくなることもない。プロ選手は辞めるが、サッカー人として続けていきたい」と話した。今後は、MF小野伸二(36)と今季から始めたサッカー教室などの指導、運営などを行っていく。