J2が今日28日、開幕する。クラブ史上初めてJ2を戦う清水はホームで愛媛と対戦。27日は試合会場のアイスタで非公開練習を行った。今季は2度の練習試合を含め、この日が3度目の本拠地使用。開幕戦で勝つために万全を期した小林伸二監督(55)は「必ず勝ちます」と宣言した。目指すは1年でのJ1復帰。「静岡PRIDE」を懸けた戦いが、いよいよ始まる。

 清水が「最高のピッチ」で、最後の準備を行った。試合前日の練習会場は、Jリーグ・ベストピッチ賞を9度(歴代最多)受賞している本拠地・アイスタ。冒頭15分間以外は非公開の練習後、小林監督は「いい準備ができました」と充実した表情で話した。

 開幕戦で勝利するために、地の利も生かすつもりだ。試合会場での前日練習は約2年10カ月ぶり。今季の始動後、アイスタで練習試合を2度行っており、開幕前に3度本拠地を使用したことになる。異例の「入念準備」だが、全ては開幕戦を勝利するためだ。芝が短く刈られ、球足の速いピッチ状態を確認した指揮官は「準備が忙しい中でもやらせてもらった価値はあった」と満足げに話した。

 今季は、クラブ史上初の試みとなる「ミニキャンプ」から始動。守備の再構築に着手しながら「堅守速攻」をベースとした戦い方の精度を上げてきた。鹿児島キャンプ後は完全非公開練習を複数回行い、情報漏えいにも気を使った。FW鄭大世(31)とDF角田誠(32)の主力2人が負傷離脱したことは痛手だが、選手たちは「ケガ人のために」と一致団結している。

 一部サポーターはこの日、アイスタに向かう通路に数々の横断幕を掲げた。J2降格が決まった日を示す「10・17」と記したフラッグもあった。降格を機に移籍を検討した選手は多くいたが、大半が「清水愛」で残留した。その1人、主将の大前元紀(26)は「みんな1年で戻りたいと思って残ったはずです」と話す。今季のスローガンは「RESTART」で、サポーター、スタッフも気持ちは同じだ。その思いをかなえるためにも、弾みをつけたい開幕戦。小林監督は「必ず勝ちます」と、高らかに勝ち点3の獲得を宣言した。【神谷亮磨】