E組の東京が爆買い軍団相手に0-0で引き分けた。ホームで今大会無敗の江蘇(中国)と対戦。この冬に100億円以上かけてブラジル人助っ人たちを大補強した難敵を、日本代表DF森重、丸山のセンターバックコンビで封じ、無失点に抑えた。最低限の勝ち点1を獲得。負けて崖っぷちだけは免れ、1勝1分け1敗の3位で折り返した。

 終了間際のロスタイム、時間稼ぎに歩くブラジル人FWを城福監督がにらみつけた。ホームで奪いにいった勝ち点3。後半にMF河野、FW阿部と攻撃的選手を次々と投入した。終盤に追い上げを掛けようとしていたところで、江蘇FWアレックステイシェイラが、交代で退く際にゆっくり歩いてピッチの外へ。同監督は黙っていられず、声を荒らげ、両者はにらみあった。

 会見で冷静さを取り戻した同監督は「90分間組織的な守備を続けてくれた。だからこそ勝ち点3が欲しかった。終盤に追い上げながらも、点を決めきれなかったことは残念」。勝てば1次リーグ2位で折り返せただけに悔しさをにじませた。元チェルシーMFラミレスが出場停止で不在というラッキーな巡り合わせ。実際につなぎ役不在で、アレックステイシェイラとジョーのブラジル人コンビは孤立。森重と丸山の代表コンビが、スペースを与えずボールが入ればつぶした。

 豊富な資金力をバックにする江蘇は、系列の大手家電量販店のサポートを受け、江蘇ファンには無料で応援グッズを提供。江蘇関係者は「日本在住の中国人は1000人以上。中国からは数百人が来日した」と明かし大応援団が集結。その中でもぎ取った勝ち点1は価値がある。

 これで1勝1分け1敗のE組3位となり、勝ち点2差に3チームひしめく混戦。同監督は「まったく満足はしていない。我々は準々決勝にいくためにやっている。しっかり突破したい」と喜びきれずに、後半戦へ目を向けた。【栗田成芳】

 ◆アジア・チャンピオンズリーグ(ACL) アジアのクラブNO・1を決める大会。1次リーグは32チームが8組に分かれてアジアの東西で行われ、各組の2位までが決勝トーナメント(ベスト16)に進む。優勝すればクラブW杯への出場権が与えられる。