川崎FがFW大久保嘉人(33)の1発を守り抜き、G大阪の敵地でリーグ初勝利を手にした。右サイドバックのDFエウシーニョが出場停止でDF武岡も肉離れで離脱中という、苦しい台所事情の中、守備陣の奮闘が光った勝ち点3だった。人生初の右サイドバックに入ったDF登里享平(25)と、24日の浦和戦で右すねを10針縫う裂傷を負ったDF奈良竜樹(22)が相手エースFW宇佐美を徹底マーク。宇佐美の巧みなドリブルに突破されそうになっても、最後は体を寄せ、得点は許さなかった。登里は「奈良ちゃんがすごく頼もしくて、いいカバーしてくれた」と話した。

 裂傷を負っても強行出場した奈良も、臆することなくシュートブロックなど体を張った。奈良は札幌時代、G大阪にアウェーで2-7、ホームで0-3と2試合で10失点を食らっていただけに「僕にとっても屈辱を晴らすための試合だったし、チームも場所は違うけどアウェーで勝てていない状況だった。これを乗り越えて1つ1つ上がっていく。無失点で終われて良かった」と笑顔を見せた。