“アジアの笛”に浦和が泣いた。0-0の後半20分。相手FKの場面で、ペナルティーエリア内の相手選手が額をおさえて倒れた。主審は周囲にいたDF森脇、FWズラタンあたりの足が入ったと見たのか、浦項のPKを宣告した。

 しかしスローVTRを見る限り、相手選手が振り上げた足が、もう1人の相手選手の額を直撃しているように見える。浦和DF永田が「何がうちのファウルなのか、想像もつかなかったので、かえって抗議のしようがなかった」と話すように、なすすべなくPKから先制点を許してしまった。

 この後も、1点を争う緊迫した攻防の中で、微妙な判定が続いた。選手たちのフラストレーションもたまり、お互いにらみ合うような場面も頻発した。

 そして試合終了後には、浦項の選手がピッチ中央に巻いていたテーピングを捨てるという行為に。FW興梠に促され、何人かの選手が拾い集めたが、これを奪い取った主将DFキム・グアンソクが再びピッチにまき散らした。これをきっかけに両軍は乱闘寸前のもみ合いに。主審がコントロールしきれなかった試合は、最悪の形で終わり、後味の悪さだけを残した。