神戸がMF藤田直之(28)の伝家の宝刀で4発の快勝を収めた。ホーム磐田戦は4-1の逆転勝ち。1-1の後半3分、今季鳥栖から加入した藤田が得意のロングスローを見せた。助走をつけてタッチラインから一気にゴール前へ。DF岩波が頭でそらし、FWレアンドロが右足で決めた。決勝点を演出した藤田は「流れを変える意味で大きかった」と笑った。

 低い弾道でスピードのあるスローインはCKばり。「GKに取られないよう高く上げすぎないように気を付けている」。距離は最長で40メートルになる。この一芸が認められ、昨年8月の東アジア杯でハリルジャパン入りも果たしていた。

 ネルシーニョ監督も「神戸の新しい武器」と認める。特に岩波がお気に入りの攻撃パターンのようで、藤田は「タク(岩波)がすごいやりたがる。仙台戦で(ロングスローから初めて)得点になった時も結構、距離があるのに『やれ』って言ってきた」。助言が得点につながり、岩波は「あれで点になるということ」と得意げだった。

 これで神戸は公式戦5試合ぶりの勝利。貯金1となり、順位も暫定8位に浮上した。3人のFW全員に得点が生まれるなど、収穫の多い1勝となった。【小杉舞】