浦和の淵田敬三社長(61)が試合後、筆頭株主の三菱自動車と日産自動車の資本提携を受けて、会見を行った。

 Jリーグには12日に資本提携について報告を済ませたと説明。「今後、規約の解釈について、Jリーグと共通認識を持っていく。リーグの規約には、1つの企業が2つのクラブをコントロールする立場になってはいけないとある。実際にそうなるのかならないのかが、今後検証されることになる」と話した。

 Jリーグの村井チェアマンもこの件に関して「まずは情報収集を進めたい」と話し、規約の解釈を保留している。三菱自動車と日産自動車の間で、すべての手続きが完了するのは、年末になるとみられる。Jリーグ側が解釈を示せるのは、来年以降になる可能性もある。

 こうした状況から淵田社長は、2社の資本提携がただちに来季のクラブライセンス交付に問題をきたすことはない、との見解を示した。「いろいろな可能性を想定はする。ただまずは、Jリーグ側がどういう解釈をするのか。それを受けてから前に進む」と話した。

 チームカラーを変更するなどといった臆測まで飛び交ったが、淵田社長は「自立した経営をしている。そういうことを考えていただければ、それはありえないことというのはおわかりいただけると思います」と語気を強めて否定した。心配するサポーターにも「浦和は赤のままで戦っていきます。安心してください」と答えて回っている。【塩畑大輔】

 ◆Jリーグ規約 第25条には「Jクラブは、直接たると間接たるとを問わず、他のJクラブまたは当該他のJクラブの重大な影響下にある法人の経営を支配しうるだけの株式(社団法人または特定非営利活動法人にあっては社員たる地位)を保有している者に対し、自クラブまたは自クラブの重大な影響下にあると判断される法人の経営を支配できるだけの株式(社団法人または特定非営利活動法人にあっては社員たる地位)を保有させてはならない」とある。

 横浜の筆頭株主である日産自動車が、三菱自動車に出資することで、これに抵触する状況になるとの指摘がある。規約に抵触すると解釈された場合は、現在三菱自動車が50・63%の株を保有する株主構成をあらためる、などの対応が求められる可能性がある。