ダブル記念日を勝利で飾る。J2札幌MF稲本潤一(36)が2日、札幌ドームサブグラウンドでの紅白戦で主力組に入った。明日4日の千葉戦(札幌ドーム)は5試合ぶりの先発が濃厚。02年W杯日韓大会で初出場と初得点を決めた思い出の「6月4日」を自らの一撃で飾り、チームを9年ぶり7連勝に導く。

 伝説のゴールを札幌ドームで再現する。日本サッカーファンを歓喜させたベルギー戦から14年。1-1の後半22分、自ら攻め上がり、そのままゴール前まで持ち込み、豪快な左足シュートを決めた。「先制点を取れればスムーズに試合は動く。ホームだし、結果にこだわりたい」。4月23日大阪戦(札幌ドーム)は、途中出場で決勝弾となる札幌移籍1号を決めた。今度は先発で2点目を挙げ、再度ドームを熱狂させる。

 “勝利の大魔神”だ。今季、試合終了の瞬間に稲本がピッチに立っていた5試合は全勝。前回先発フル出場した4月29日徳島戦は完封勝利、10人と数的不利になった前節山口戦は、後半途中出場で中盤を落ち着かせ、逃げ切り勝利に導いた。「同点が続いても、先にリードされても対応できるように。メリハリあるサッカーをしたい」。今度は5戦ぶりフル出場で90分休まず、勝ち点3への方程式を完成させる。【永野高輔】

 ◆02年6月4日W杯日韓大会日本対ベルギー 後半12分に失点した日本は、同14分にMF小野のロングパスをFW鈴木が右足で押し込み同点とした。同22分には、MF稲本が相手選手を1人かわして左足で勝ち越しゴールを決める。同30分に失点し2-2ドローも、日本がW杯での初勝ち点を記録する、歴史的1日となった。