磐田のMF川辺駿(20)が、飛躍を続ける元仲間に対抗心を燃やした。5日、磐田市内で次節ホーム大宮戦に向けた練習を再開。広島時代、チームメートだったリオデジャネイロ五輪代表FW浅野拓磨(21)はプレミアリーグの強豪アーセナル移籍が決定。それを受け、川辺の胸には「悔しい」という感情が芽生えた。「ずっと身近な存在。トップチームに入ったのもほぼ同じタイミングで、一緒にやっていた人。早く追いつきたい」と、強く意識した。

 五輪代表に選出された浅野とは対照的に、川辺は同候補合宿に呼ばれながらも外れた。「手倉森監督が選べばよかったと思うくらい、五輪期間にJリーグで活躍したい」と悔しさをバネに成長を誓う。前節広島戦(0-3)は契約の関係上出場できなかったが、次節はメンバー入りが濃厚。川辺は「もっと上にいくために、考えて練習して、良い準備をしたい」と貪欲な姿勢をみせた。

 足が速く“ジャガー”と呼ばれる浅野に対し、川辺は視野が広く、前線への効果的なスルーパスと急激な加速からの攻撃参加が持ち味の“ハヤブサ”といえる。磐田で“ハヤブサ”の愛称が定着した時、川辺には大きく羽ばたくタイミングが到来する。【保坂恭子】