J2清水は6日、徳島FW長谷川悠(29)を完全移籍で獲得したと発表した。長谷川は山形と徳島の計5年間、小林伸二監督(55)のもとでプレーしており「小林イズム」の申し子だ。だが、今季は徳島で9試合出場1得点。くすぶる中、昨季まで徳島を率いた小林監督から直接連絡が入り、移籍が実現した。

 三たび小林監督のもとでプレーすることが決まった長谷川はこの日、静岡市内で会見し、決意を口にした。「伸二さん(小林監督)とまた一緒に仕事をさせてもらえることに感謝したい。その分、結果を出さなければいけない」。

 小林監督も長谷川に期待を寄せた。「前線でボールが収まるので、周りの選手も生きてくると思う」。指揮官の言葉通り、長谷川は187センチの長身を生かしたプレーを強みにし、足元の技術にも定評がある。今季はFW大前元紀主将(26)とデュークが負傷で長期離脱。主力不在の間に金子翔太(21)や北川航也(19)ら若手が台頭しているが、クラブ側はポストプレーもこなせる大型FWの補強を目指していた。

 小林監督自ら動いて実現した獲得に際し、クラブ側は長谷川と複数年契約を結んだとみられる。目標とする「1年でのJ1復帰」に向けた期待値は高いが、現在は左ふくらはぎの打撲で別メニュー調整中。次節ホーム熊本戦の出場は微妙な状況も、長谷川は「J1昇格のために、自分の力を最大限に発揮したい」と力強く宣言した。【神谷亮磨】

 ◆長谷川悠(はせがわ・ゆう)1987年(昭62)7月5日、山梨県生まれ。流通経大柏高(千葉)卒業後、06年に柏へ入団。岐阜-福岡-山形-大宮-徳島を経て、清水に加入。J1通算153試合24得点。J2通算94試合17得点。187センチ、78キロ。利き足右。背番号は「18」。