千葉FWオナイウ阿道(20)が、土壇場で決勝ゴールを挙げた。2-2の後半ロスタイムにヘディングで決めた。チームは6戦ぶりの白星。プレーオフ圏内の6位京都との勝ち点差を8から6に縮めた。引き分け以下なら、ますますプレーオフ進出が厳しくなる一戦で、リオ五輪本大会メンバーから外れた男が、チームを助けた。

 後半28分から途中出場のFWオナイウが救世主となった。2-2の後半ロスタイムも4分が経過。MF井出のクロスに大ジャンプ。ヘディングシュートはGKの手をはじきゴールへ転がった。「いいクロスが来た。当てるだけでした」。リオ五輪本大会メンバーを外れた悔しさを晴らす一撃は、負ければJ2降格後、初の4連敗となったチームを救う殊勲弾だった。

 先月30日。U-23(23歳以下)南アフリカ代表との強化試合から千葉市内の練習場に帰ってきた直後、関塚監督とひたすらシュート練習に励んだ。五輪前最後のアピールの場は、出場機会すら与えられなかった。悔しさを押し殺すように、普段は陽気な男が黙々とボールを蹴っていた。「(五輪代表に)選ばれなかったから、終わりではない。最終的な目標はA代表。そのためにチームでしっかり結果を出さないといけない」。悔しさを成長の糧にする。