柏が鹿島に完勝し、第2ステージ(S)優勝争いに踏みとどまった。

 前節、年間勝ち点&第2S首位の川崎Fを5-2で粉砕した柏が、ホームに第1S王者の鹿島を迎えた。主軸のFW伊東純也(23)がベンチスタート。

 鹿島は、8月下旬に心労でダウンした石井正忠監督(49)のリーグ復帰戦で、3戦連発中のMF鈴木優磨(20)やFW金崎夢生(27)が先発した。

 序盤は互いの守備が堅く攻めあぐんだが、鹿島が前半30分にチャンスをつかむ。オーバーラップした日本代表DF昌子源(23)が右足でミドルシュート。リオデジャネイロ五輪代表GK中村航輔(21)がはじいた球を金崎が拾ったが、シュートには持ち込めなかった。

 39分には柏。DF茨田陽生(25)の右クロスにFWクリスティアーノ(29)が飛び込むが、GK曽ケ端準(37)の正面に飛んだ。さらに柏は43分、FWディエゴオリベイラ(26)が鋭いターンでDFブエノ(21)のマークを外したが、昌子の完璧なカバリングに阻まれた。前半は0-0で折り返した。

 後半、柏の下平隆宏監督(44)がいきなり采配を当てた。10分、MF武富孝介(25)に代えて切り札の伊東を右サイドに投入した。その3分後、スルーパスを受けた伊東が右サイドを破って深い位置から右足でクロス。中でDF2人のマークを外したディエゴオリベイラが頭で合わせて均衡を破った。

 さらに21分、柏にチャンスが訪れる。クリスティアーノがドリブルでブエノを抜いた後にペナルティーエリアで引き倒され、PKを獲得。しかし、自らクリスティアーノが蹴って右を狙ったボールは、曽ケ端の横っ跳び、左手1本に阻まれた。

 37歳の守護神に救われた鹿島だが、攻撃陣が奮起できない。柏の守備に苦しんで同点弾を奪えずにいると、36分に追加点を献上する。先ほどPKを外したクリスティアーノが右サイドを独走。追いつこうと前掛かりになった鹿島の裏を見事に突き、曽ケ端の頭上に蹴り込んで、ようやく2点目。汚名返上の今季14点目で突き放した。

 好守に手堅い試合を見せた柏がこのまま勝ち、首位との勝ち点3差をキープした。