仙台は今日1日、アウェーで鳥栖と戦う。現在5戦未勝利と低迷しているが、渡辺晋監督(42)は「残り全勝と言い続ける」と、言葉に力を込めた。

 週初めの練習前ミーティングで、渡辺監督はイレブンに「活気、集中力、危機感の3つを持つこと-」と説き、残り4戦での奮起を促した。戦術面のスタイルは継続するが、チームの精神面を立て直す。前節の名古屋戦で惨敗し、一部サポーターと渡辺監督の間に話し合いの場が設けられた。その内容を選手らに伝え、意識改革に着手。指揮官は「気持ちが足りないのであれば見せないと。そして結果も出さないといけない。我々は小さな変化をして、強い仙台を表現したい」と訴えるように話しかけた。

 下位に低迷した昨季とは違う。今年16年の目標は残留ではなくあくまでも上位進出。フロント上層部は「勝ち点45。中位(J1を3分割したBクラス)に入ればひとつの評価に値する」と一定の指標を示す。現在の年間順位は12位だが、負けが続けば目標は遠のく。

 イレブンの意識は、強くなった。DF渡部博文(29)は「僕らはもう1度奮起して、プロとして結果を残していく」と誓う。練習後、見学に来たサポーターから「明日頑張ってください」と言葉を受けた富田晋伍(30)は「結果で応えるのが一番」と気を引き締め直した。そして「こういう時こそ責任感を持って戦う。行動に出せるか、変われるかは自分たち次第。少しでも変わっていかなきゃいけない」と、前を見つめ敵地へ旅立った。【成田光季】