J2清水FW大前元紀(26)が“因縁”払拭(ふっしょく)を胸にゴールを狙う。今日8日のホーム町田戦に備え、7日は静岡市内で完全非公開練習に臨んだ。町田戦は6月のアウェー戦で接触プレーを起因に肋骨(ろっこつ)4本骨折と肺挫傷の重傷を負ったゲーム。復帰後、初対戦に備え「ケガをした試合なので、意識しないことはない」と真剣な表情を見せた。

 今季は開幕からゴールを量産し、負傷した町田戦でもPKで先制点を挙げた。その直後、CKでの守備時に町田MF井上裕大(27)と空中戦で交錯し、負傷退場。病院に緊急搬送された。3カ月間のリハビリを余儀なくされ、サッカー人生で初めて長期離脱を経験。現在は不自由なくプレーできる体に戻ったが、運が悪ければ生死に関わる大けがだったと振り返る。

 大前 折れた場所が左側だったし、骨が心臓に刺さっていたら…。生きていてよかった。

 復帰後、ホームでは初めて先発出場が濃厚だ。「プレーできなかった3カ月は取り戻せない」と話すが、町田戦で得点すれば苦しい経験も報われる。前節C大阪戦は無得点ながらチームは劇的な逆転勝ちでJ1自動昇格(2位)に望みをつないだ。大前は「ホームだし先制点が大事。いいプレーをして、点を取って勝ちたい」と、得点奪取で完全復活を証明する。【神谷亮磨】