新潟が「他力」で残留を決め、来季はJ1在籍14年目を迎えることになった。

 広島に敗れたものの、勝ち点で並んでいた名古屋が1-3で湘南に敗れた。そのため得失点差で生き残った。

 リードされて迎えた試合終盤は現実路線に変更した後半41分、DF大野和成(27)を投入。このとき、片渕浩一郎監督(41)の指示は「バランスを崩すな」。名古屋の2点ビハインドを知っての策。守りを固め、あわよくば1点を狙う。リスクを負った攻撃は封印した。

 ピッチの選手にもそれはすぐに伝わった。「攻撃をするときは指示のボードが出るはずだったが、それがなかった。このままでいいのだと思った」とFW鈴木武蔵(22)。DF松原健(27)も「大野さんが入ったのは、このまま守り切るということ」。点を取りに行くという欲求を各自が押さえ込んだ。

 2年連続15位でフィニッシュ。通算成績8勝6引き分け20敗で、黒星の数は04年のJ1昇格後ワースト。立て直しの必要性を突きつけられた残留だった。