来季J2に降格する名古屋の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が6日、クラブ側から事実上の引退勧告を受けた。ボスコ・ジュロブスキー監督(54)とともにこの日、今季限りでの契約満了を告げられた。退団が決まった闘莉王は「心がズタズタ」と沈痛な面持ちだった。

 昨オフも、GMを兼任していた小倉前監督から事実上の肩たたきで退団させられた。「またか、みたいな感じ。2度も苦しませてくれるんだな」。話し合いの中でクラブ側から「アドバイザー」として残る提案があったという。しかし、「選手として必要ないと感じた」と事実上の引退勧告と受け取り「詳しいことは聞いていない。まだ何も考えられない」と困惑した様子だった。

 さらに闘莉王はクラブに対して疑問を抱いた。「方向性が見えない。このままではJ1には戻れない。選手たちが出て行くのも引き留められない」。東京が獲得に乗り出しているFW永井ら主力の流出にも影響があると指摘した。

 8月に就任し、チームを19戦ぶり勝利に導くなど奮闘したジュロブスキー監督も「いい結果を残したと思っている。続けたかったがクラブに『新しいコーチを迎える』と言われた」と無念そうだった。【小杉舞】