帝京長岡(新潟)は徳島市立に1-1のPK4-5で負けた。13年の大会で1-1のPK2-3で敗れた相手にリベンジを果たせなかった。後半4分にFW陶山勇磨(2年)が先制したものの、その2分後にMF郡紘平(3年)のゴールで追いつかれた。味方のシュート3本に対して、14本のシュートを浴びての1-1だったが、PK戦で力尽きた。

 反応した。GK深谷圭佑主将(3年)は、181センチの全身をボールに向かって宙に投げ出した。しかし、届かなかった。芝生に倒れ込んで、しばらくは動けない。「PKは自分が止めれば勝てた」。帝京長岡は斎藤日向(3年)がポスト右に外したが、徳島市立は5人全員成功させた。3年前のVTRを見るような展開で、負けた。

 「勝負する。走る。ぶつかる。強かったですね」と古沢徹監督(31)は完敗を認めた。しかし、ゲームを先に動かしたのは、帝京長岡だった。0-0で迎えた後半4分。FW楜沢が相手DFともつれあいながら左サイドをドリブル。グラウンダーの左クロスに人数はニアに集まったが、ファーサイドでノーマークになった陶山の前までボールは通った。「来る、と信じていたけどカンです」と利き足の逆の右足で押し込んだ。しかし、2分後に追いつかれ、PKで負けた。古沢監督は「全国大会は甘くない」と言った。

 先発メンバーのボランチを務めるMF安田光希(2年)と、右サイドバックのDF小泉善人(1年)が体調不良で試合メンバーから外れた。「今いる中でのベストメンバーで挑んだ結果。メンバーにストレスはない」と古沢監督は話したが、正ボランチを欠き、攻撃の組み立てに支障がでた。シュート3本、コーナーキックも1本と攻撃機会は減った。先制点を決めた陶山は「勝ち続けていけば、回復して出場するチャンスはあった」と欠けた2人に勝利を贈れなかったのを残念がった。【涌井幹雄】