なでしこジャパンのMF川村優理(27)が1日、古巣アルビレックス新潟レディースの練習に初参加した。千葉(13年)、仙台(14~16年)を経て出身地のチーム・新潟には5年ぶりの復帰。練習に先立つ会見で「最後のサッカー生活を、このチームに全力で注ぐ」と宣言し、同時に海外移籍にも意欲を見せた。プロ契約で、背番号は09年から12年まで付けていた「5」に決まった。

 やはり川村にはオレンジのユニホームがよく似合う。グレーのスーツの上着を背番号5のユニホームに着替え、飛びっきりの笑顔を見せた。「大好きな新潟に戻ってくる決心をしました」。まだ県リーグ所属だった新潟に上山中1年の02年に加入して12年まで11年過ごした古巣。「1回、外(のチーム)に出て、どれだけ成長したのか。経験したことを恩返しという形で見せたい」と言った。

 会見に同席した中野幸夫社長(61)は言う。「アメリカ(のクラブ)になるのかヨーロッパになるのか、海外に挑戦するチャンスを一緒に考えていきたい」。川村は、海外クラブへの移籍も視野に入れていた。「代表として戦う海外の選手は、個の力がある。そういう世界でもっと成長できれば、と思っている」。27歳には、あふれる向上心が詰まっていた。

 新潟は皇后杯全日本女子サッカーで2年連続準優勝。昨季のリーグ戦は5位と悔しさを味わっている。そんなチームに、パワフルなプレーが真骨頂の川村が復帰した。15年女子W杯カナダ大会の準Vメンバーで、なでしこジャパンにも定着。移籍していた千葉、仙台とも、チームの中心としてプレーしてきた。だからこそ、新潟で大きな存在感を放つ。「プレーに対する責任感が出てきた」と言う。

 新潟の登録はMFで、仙台ではボランチを務めていた。代表ではセンターバックもこなすユーティリティープレーヤーだ。得点能力も高く、昨季の仙台ではチーム最多の6得点。昨季まで2年連続でリーグのベストイレブンに選ばれている。「最後まで諦めずに戦う姿勢を見せたい」という川村は、今季の新潟の強力な起爆剤になる。【涌井幹雄】

 ◆川村優理(かわむら・ゆり)1989年(平元)5月17日生まれ、新潟市出身。サッカーは青山サッカー少年団で始め、上山中在校時の02年に新潟入団。千葉(13年)、仙台(14~16年)を経て古巣に5年ぶり復帰。U-17、U-19日本代表。フル代表として国際Aマッチ29試合出場、2得点。なでしこリーグ通算228試合出場、37得点。168センチ、57キロ。血液型A