オフにオランダ1部ユトレヒト移籍の可能性があった仙台MF佐々木匠(たくみ、18)は、定位置確保の実績を残してから海外再挑戦を目指す。仙台は宮崎・延岡キャンプ6日目の2日、攻撃の戦術確認などを行った。

 佐々木は3歳からサポーターとして仙台一筋。年末に移籍問題が浮上後、周囲のサポーターや友人からは「行ってこいという声が多かった」。チームのことよりも、自分を優先してくれるサポーターにより魅力を感じたという。クラブ間で交渉は続いたが、結局まとまらなかった。もちろん佐々木も、出場2試合に終わった昨季に満足しておらず、「結果を残して恩返ししてから、ステップアップするのが大事」と話した。

 シャドーでプレーした1月25日の大学生相手に2アシスト。慣れないボランチで出場した同31日のJ2大分との練習試合は、ドリブルで相手DFに尻もちをつかせてかわしてチャンスを演出。渡辺晋監督(43)は局面打開が可能な技術を高く評価する。佐々木は「多くのライバルがいるのはわかっている。シャドーでもボランチでもワイド(ウイングバック)でも監督が思い描くことをしたい。活躍しないと残った意味がない」と必死だ。【秋吉裕介】