仙台ルーキーのDF永戸勝也(22=法大)が猛アピール中だ。4日の大宮との練習試合の2試合目に左ウイングバック(WB)で出場して1アシスト。「開幕スタメンしか見ていない」と、J1に限ればDF二見宏志(24=清水)以来クラブ史上2人目の大卒新人での開幕先発出場を目標に掲げた。

 大宮戦は、左サイドから1トップのMF野沢拓也(35)にクロスを上げ続けて得点をお膳立て。精度の高いクロスに野沢も思わず親指を立てた。永戸は「野沢さんはポジショニングがいいので、合わせるだけでした」と平然と言った。

 法大時代の14年冬、仙台の練習に初参加。渡辺晋監督(43)はシュート時の「ボールの持ち方」にほれ込んだ。どのような状態でも的確にボールを放つ技術を見抜いた。昨年3月31日と早い段階で仙台からオファーを受けたのも高評価の証しだ。大宮戦後、渡辺監督は「(供給を)もっと増やして欲しい」と期待した。

 左WBではMF中野嘉大(23)との競争が待っているが、早くピッチに立ちたい。昨年8月にユアスタで柏戦を観戦。「あれだけ人が入ってる中でやれたらどうなのだろう」と興奮した。待ち切れない開幕へ、日々成長を続けている。1月31日のJ2大分との練習試合、永戸は相手選手に突破されて先制のきっかけをつくり、「戻りながらではなく、前向きに守備ができていたら」と反省。大宮戦では立ち位置を変え、過ちを繰り返さなかった。

 その先にはもう1つの野望がある。現役時代の渡辺監督や12年2位に貢献したDF鎌田次郎(31=柏)ら名DFが付けていた背番号2を「永戸色に染める」。期待の若手は、クラブ史を塗り替える活躍を狙っている。【秋吉裕介】