「魔の65分」を乗り越えろ-。2連敗中の大宮アルディージャが9日、さいたま市内で明日11日のジュビロ磐田戦に向けて調整を行った。大宮は2月25日の川崎フロンターレ戦、3月4日のFC東京戦と、同じ時間に同じようなセットプレーの流れから失点して敗れた。その時間は後半21分。渋谷洋樹監督(50)は「この時間は、自分の腕時計にアラームを設定して、選手に『頑張れ!!』と一番声を出します」と秘策? を明かした。

 試合開始から65分ごろは大宮にとって魔の時間帯といえる。昨季の総失点36は浦和レッズ、鹿島アントラーズに次いで3番目に少ないが、15分ごとの時間帯別で見ると「後半16~30分」の失点は36点中11点と最多。磐田にはキックの名手MF中村が加入しただけに、この時間帯にセットプレーを与えるようなことがあれば「2度あることは3度ある」となりかねない。渋谷監督は「『とりあえず敵陣に蹴っておけ』って言おうかな」とジョークをまじえ、不用意なファウルに要注意と強調した。

 ミーティングでは、欧州CLで大逆転したバルセロナの映像で「勝ちへの執念」を注入。FW江坂は「最後まで何が起こるか分からない」と気を引き締めた。「魔の65分」を無失点で切り抜ければ今季初勝利が見えてくる。【岩田千代巳】