J1サガン鳥栖からJ2ジェフユナイテッド千葉に完全移籍したMF清武功暉(25)が移籍後、初ゴールを決めた。

 清武は1点をリードした後半21分に、FW船山貴之に代わって途中出場。同ロスタイム3分、中央をドリブルで駆け上がり、MF町田也真人にパスすると、ゴール前で町田からの折り返しを受け、GK楢崎正剛の動きを冷静に見切り、左足でゴール左に流し込んだ。「(楢崎の動きは)見えていました。(町田)也真人君のボールが良かったから、あそこまで冷静になれた。ホームで決められて気持ち良かった。今日、取れなかったら、取れない時期になるのかなあと、いろいろ考えた。(ゴールは)大きかった」と喜んだ。

 この日は、スペイン1部セビリアからJ1セレッソ大阪に復帰した兄弘嗣が、復帰初戦となった北海道コンサドーレ札幌戦(アウェー)でフル出場したが、無得点に終わり、兄より先に移籍初ゴールを決めた。試合後、兄について聞かれると「今まで(兄のスペイン時代は試合が)練習がある日の朝方だったり、時間が違ってリアルタイムでなかなか見られなかった。今は同じリーグなので、見られる機会が増えるのは、僕にとっても両親にとっても楽しみなこと」と兄のJ復帰を歓迎した。

 実は、千葉への移籍直後に、アルゼンチン人のフアン・エスナイデル監督(44)から、セビリアで出場機会がない兄を指導しているサンパオリ監督もアルゼンチン人だと指摘され、「清武(一族)とアルゼンチン人の監督は、相性が悪いんじゃないのか?」とブラックジョークを飛ばされた。兄のJ復帰後、エスナイデル監督から何か言われたかと聞かれると「『兄は、日本に帰ってきたんだな』くらいしか言われていません」と苦笑した。

 千葉対名古屋戦では、千葉MF佐藤勇人、名古屋FW佐藤寿人の兄弟対決も注目されたが、寿人は先発したものの後半13分で交代し、一方の勇人もベンチスタートで出番がなく、実現しなかった。清武は「僕らも、それが出来るように千葉をJ1に上げたいと思います」と力強く誓った。【村上幸将】