ジュビロ磐田MF中村俊輔(38)が私情を胸にしまい、古巣との初対戦に臨む。7日は、静岡・磐田市内の大久保グラウンドで今日8日のアウェー横浜F・マリノス戦に向けて約1時間の調整。激しい雨が降る中、準備を終えると、因縁の一戦への思いを口にした。「マリノスを出る時も余計なことを言わずに出た。こういう時になって言うと無駄になってしまう。今はジュビロの人間だし、ジュビロのために勝ち点3を取れるようにしたい。それだけです」。感情を抑えるように言った。

 チームの勝利を最優先に考える中村俊に、チームも奮い立つ。前節の1日清水戦後に「俊輔ダービーが待っている」と話した名波監督は今週のミーティングで「34試合の1試合ぐらいは、『こいつのために』という試合があってもいいじゃないか?」と選手に伝えた。だからこそ、中村俊も「ジュビロの一員として34試合の1試合として集中したい」と強調。新天地の仲間とともに、今季初の連勝だけを見据えて昨季までホームだった地に乗り込む。【前田和哉】