初出場のいわきFC(福島)が、ゴールラッシュで初陣1勝を飾った。

 前半24分にFW高柳昂平(23)の先制を、皮切りに8点を奪った。前半45分、後半14分にも得点してハットトリックを達成した高柳は「1点取れてから楽になった。自分の力でチームに貢献するのが目標。そこは良かった」と声を弾ませた。

 12年に創設されたいわきFCは、15年12月に米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店「ドーム」が運営会社を設立。運営権を譲り受けて、将来のJリーグ入りを目標に動きだした。今年から福島県社会人リーグ1部に昇格し、Jリーグチームが注目した新卒の有望選手らが集まり出した。前線から積極的にプレスをかける、攻撃的サッカーが持ち味。9日の天皇杯県代表決定戦では格上のJ3福島に2-0と完勝して、初めて出場権を手にした。

 元Jリーガーの田村雄三監督(34)は、風下の後半の2失点などの内容に「あんまり良くなかった」と不満を見せたが「いわきFCを全国に知らせることができたのは良かった」と記念の1勝をかみしめた。

 現在のチーム体制になってまだ2年目だが、6月21日の2回戦はJ1北海道コンサドーレ札幌と顔を合わせる。公式戦初のJ1チームとの対戦に、田村監督は「引くつもりはない。いわきFCのサッカーがどこまでできるか、楽しみです」と期待を膨らませた。