FC東京ユースFW久保建英(15)が、北海道コンサドーレ札幌戦の後半21分に途中出場し、トップチームデビューを果たした。
試合後の主な一問一答は以下の通り。
-出場の感想は
久保 今日、試合に出てみて、あらためて感じたのは、やっぱりJリーグというのは本当にレベルの高いところで、自分も、まぁ…やっと1歩を踏み出せたかな、という感じです。
-どこにレベルの差を感じた
久保 ボールスピードだったりとか、1タッチのプレーというのが、明らかに同じJリーグでもJ3よりも多かったり。どっちかというと、J3の方が球際(でのプレー)というのが多くて…でもJ1は、そこをスルスルかわしていくので、なかなかボールが取れなくて、というのがありました。
-緊張はあった?
久保 スタジアムに入った時は、本当にファンの方たちの数が、すごく多くて緊張しましたけど、ピッチに入ってからは緊張している場合じゃなかったので。
-ゴールまであと1歩、というプレーが幾つもあった
久保 あと1歩だった分、本当に悔しいですし、チャンスと言っても、そこまで惜しいチャンスを作れたわけじゃないので。今日の試合は…まぁ、決めなきゃいけない試合だったなというのは思っていて。でも、まだ今日で終わりじゃないんで、次にまたチャンスがもらえたら頑張りたいです。
-後半41分に蹴ったFKの狙いは
久保 ニア上を狙えたらいいなぁという感じで…ちょっと、ボール2個分くらい、ずれちゃったんで。
-自分で取ったFKを自分で蹴ろうとボールを抱えていた
久保 いや、そういうわけじゃなくて。周りの選手に後押しをしてもらう形で「蹴っていいよ」と言ってもらえたので「じゃお願いします」という感じで。
-誰に蹴っていいと言われた?
久保 ボールをもらった阿部(拓馬)選手だったり高萩(洋次郎)選手だったり、東(慶悟)選手に「蹴っていいよ」と言ってもらいました。
-後半39分にドリブルを仕掛け、後ろからDFにぶつかられ、倒れながらシュートを打ち、最終的にFKを獲得したプレーを振り返って
久保 あそこで仕掛けなかったら、FWじゃないと思っていて。(DFが)来ているのは見えていて「あっ、倒れるな」というのは感じたんですけど、どうせ倒れるんだったら、シュートを打っておこうと思って打ったら、ファウルを取ることが出来て良かったです。
-前線からプレスをかけていた。守備の局面で1番、意識したことは?
久保 自分は途中交代で入った選手だったので、相手も味方もみんな疲れている選手ばかりの中で、自分が走れなかったら交代で出た意味がないなと思っていたので、そこは本当に意識していました。
-交代で声をかけられた時は心の準備は出来ていたか
久保 もう、ベンチに入っている以上は、いつ出てもおかしくないなというのは思っていたので、いつ出ても全力でプレー出来るような準備はしていたつもりです。
-篠田善之監督からの指示は?
久保 マークが替わったので、そこを選手に伝えてほしいということと、攻撃の最後のところで頑張ってほしいと言われました。
-U-20(20歳以下)日本代表の内山篤監督は「自分が出来ることと出来ないことが、すごくよく分かっている」と語った。今日、J1の選手がいる舞台に立って出来たこと、出来ないことは何だったのか?
久保 まだ1試合しかやっていないので、あまり分からないですけど…。ちょっと今日は(自分の力を)出し切れなかったので、まだ分からないです。
-高円宮杯U-18プレミアリーグの試合では、試合を通してプレスをかけ続けている。J1との違いは?
久保 J1とプレミアでは、どうしても体格差だったり、精神的、戦術だったりも含めて、1回のプレスを全力でやった後に、次のプレスをまたかけるのは、J1だと息が続かないっていうわけじゃないですけど、難しいなと。プレミアだと全然、何回でもいけるんですけど。Jリーグになってくると、こうなんだなと思いました。
-サポーターからの“建英コール”は聞こえた?
久保 ちょっと聞こえていました(笑い)
-プレーに夢中になると、耳には入らない?
久保 最初、それが本当に心配で…応援の方に耳がいっちゃって、プレーに集中できなかったら、どうしようと考えていたんですけど、プレーしてみると想像とは全く違って、気持ちいいものではありましたけど、全く聞き入っちゃうというわけではなかったです。
-試合後、スタンドのサポーターに「シャー!」をした際、MF永井謙佑選手に教えていたように見えたが
久保 永井選手が(東京で)初ゴールを決められたということで「シャー! をしたことがない。教えてくれる?」と言われたので。自分は何回か、やったことがあったので。
-北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二選手と対戦した印象は
久保 小野選手のプレーはYoutubeとかでも出ていたりして、見ていたりしますけど、前節のルヴァン杯のボレーもそうですし、1つ1つの(プレーの)質が高かったり、トラップも足に何かついているんじゃないかっていうくらい、吸い付くようなトラップばかりで、本当にこれが一流選手だと思いました。
-小野選手から刺激は受けた?
久保 やっぱり、小野選手もW杯とか経験されたりしていて、本当にオーラもあってプレーの質もあって、本当にいい経験をさせてもらいました。
-小野選手は久保選手について「僕の15歳の時とは比べものにならない。堂々とプレーしていました」と評価していました。
久保 本当に光栄です。
-これから、どんなサッカー選手としてやっていきたいか
久保 サッカーをやっている以上、どんどん上を目指していきたいというのは自分でも思っていますし、出来るだけ早くこのレベルの選手になって、もっと上に行ければいいなと思います。
-味方がボールを持った時に、細かく毎回動き直していた
久保 ボールがほしかったので、そこは意識していました。
-J3リーグ戦の中で、左だけじゃなくて右もあるぞ、というのを見せたいと言って駆け引きも出来ていた。このレベルでは余裕がなかった?
久保 今日は相手が疲れていて、そこまでマークとかも全然しつこくなかったので、左だけでいけちゃったという感じですね。そこで、左を切られた時に難しくなるんじゃないかなと思います。左でいけないのであれば、右を使うしかないと思っているので、そこはやっていきたい。
-シュートを打った後、ファウルされた時、ケガをしないように受け身も取った?
久保 特にそういうのはないですけど、シュートを打った瞬間に、体を当てられたので、ケガしないようにコケました。
-具体的に、どう成長していきたいか?
久保 今の時点で、自分は他の同年代の選手より、半歩くらい前には、いれているかなというのは思っているので、スタートが早いだけじゃなくて、失速せずにこのままドンドン、上にいきたいなぁと思います。
トップデビューを果たした直後ながら、久保は1つ1つ、言葉を選びながら、冷静に試合を振り返り、自身のプレー、現状を分析した。【村上幸将】