「玄人好み」。ボランチのMF原輝綺(18=アルビレックス新潟)が目指す選手像だ。的確な状況判断でチャンスの起点になり、ピンチの芽を摘む。「僕は『あいつがいたから助かった』と言われるタイプになりたい」。派手ではないが、チームに不可欠な存在を理想に掲げる。

 自分のスタイルに気付いたのは千葉・市船橋高入学直後。3ランクに分けられたチームの一番下からのスタートだった。同期はJリーグ下部組織育ちの杉岡大暉(湘南)や高宇洋(G大阪)ら約30人。「多分、自分が一番下手だった」。ショックを受けたが、朝岡隆蔵監督(40)の言葉にハッとした。「自分がしたいことばかりを考えるのではない。相手をしっかり見て臨機応変にやれ」。原は小学2年でサッカーを始め、中学まで「思うがまま、楽しんでやってきた」。初めて壁に当たりそうになった時、恩師の言葉で己の気持ちが改まった。