ジュビロ磐田が、ホームで貴重な勝ち点1を手にした。前半37分、2位セレッソ大阪に先制されたが、後半41分、MF中村俊輔(39)のアシストからFW川又堅碁(27)が同点弾。通算勝ち点39で6位をキープし、上位争いに残った。

 今季9度目のチケット完売。観客1万4881人で埋まったヤマハスタジアムが、土壇場で歓喜に揺れた。磐田サポーターの大歓声を浴びながら、中村俊と川又がガッツポーズを決め、全身で喜びを表現した。

 1点を追う後半41分、右CKを獲得すると、中村俊はショートCKを選択した。MF川辺駿(21)の落としから再び中村俊が左足を振り、フワリとボールを上げた。これを川又が相手DFと競り合いながら、ヘッドで合わせてネットを揺らした。背番号20の4戦ぶりゴールが値千金の同点弾に。試合後、名波浩監督(44)は「勝ち点3に近い1を取れた」とうなずいた。

 これで中村俊は今季通算7アシスト。川又は9得点だ。ともにチームトップの数字。だが、意外にも中村俊のアシストで川又がゴールしたのは初めてだった。待ちに待ったホットラインの開通で、川又は「次からもっと入ると思います」と笑った。

 チームは今季3度目の連勝こそ逃したが、順位は6位をキープした。次節はホームで神戸と対戦する。名波監督は言った。

 「今日は2位のチームを相手にチャレンジャー精神を持って戦えた。次もホームで戦える。ポドルスキ加入の神戸にきっちり3ポイントを取りたい」

 相手に世界のスーパースターがいても気負わない。それだけチーム力が、今季の磐田にはある。【前田和哉】