日本のサッカーは必ず伸びる-。ヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタ(34)が17日、神戸市内の練習場では来日直後の初練習以来となる合同取材に応じた。前日16日にウルグアイを撃破した日本代表にも触れ「必ず伸びていく」と断言。また20日の首位川崎フロンターレ戦(等々力)に向けて6戦勝ちなしで11位と苦しむチームの再浮上を誓い、来夏のアジアツアーを発表した古巣バルセロナとの対戦実現を楽しみにした。

7月に来日したイニエスタは少しずつこの国に染まっている。「日本の生活、日本のリーグに適応している期間。個人として選手として、レベルの高いバージョンを提供できるよう努力している」。家族を呼び、生活の拠点を築いた。サッカーに集中する環境が整い、その中から見えてくるものがある。

日本のサッカーに好意的だ。前夜、FIFAランク5位のウルグアイから金星を奪った日本について「前から日本のサッカーには注目してきた。楽しみにしていた選手もいる。よく走って、俊敏な選手が多い。ワールドカップ(W杯)でもベルギーに負けたが、ポテンシャルは見せた。日本のサッカーは必ず伸びていく」と断言した。

躍進へ、イニエスタが大きな役割を担う。神戸からは14年のMF森岡(現アンデルレヒト)を最後にA代表招集はない。しかし、U-19代表のMF郷家ら期待の若手はイニエスタを間近に見ながら成長できる。「(彼らは)才能があり、伸びしろがある選手。これからも成長を続けるには、経験のある選手のサポートが大事。彼らは現在であり将来」。世界の超一流が、お手本となって導く。

チームは5連敗を含む6戦勝ちなしで、一時4位まで上げた順位は11位。常勝のバルセロナで過ごした元スペイン代表にとって、経験のない屈辱だ。「負けるのは好きじゃないが、この状況を打開するためによりよいプレーをするしかない」。来夏には古巣のバルセロナと対戦の可能性も出てきた。「実現すればとても素晴らしい時間になるね」。その言葉1つ1つが世界に響く。イニエスタの熱は冷めない。【実藤健一】